kimamanikakuの日記

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旧石器時代

地球上に人類が誕生したのが約700万年前のこととされている(ちなみにビッグバンが137億年前、地球が形成されたのが46億年前、生物が誕生したのが37億年前である)。われわれの祖先はそれまで森で暮らしていたが、乾燥して森が減少していく環境において、二足歩行を覚えて、地上での生活に適応していったのである。

その後、やがて地球は寒冷化し、いわゆる氷河時代を迎えた。約200万年前から約1万年前のことを地質学では更新世という。この更新世は、氷河が拡大と縮小を繰り返し、火山活動や地震による地殻変動も多いという気候変動の激しい時代であった。更新世という名は、このような激動を表しているのかもしれない。

では、このような変化に富んだ更新世では、人類はどのような暮らしをしていたのだろうか。地上での生活に適応した人類は、石器を使うようになっていた。この頃使用されていたのは、石を打ち欠いて作った打製石器と呼ばれるもので、この打製石器に象徴される時代を旧石器時代と呼ぶ。旧石器時代においては、土器や弓矢も用いられていなかったし、農耕も行われていなかった。人々は狩猟や採集、漁労で食料を確保していた。そのため、年間を通じて気候が変化しない熱帯などを除いては、食料を求めて季節的に移動せざるを得なかった。

では、日本に目を向けよう。この更新世(激動の氷河時代)に、日本には人は住んでいたのだろうか?また住んでいたならば、どのような生活をしていたのだろうか?

(もちろん当時「日本」という国はないしそもそもそんな言葉は存在していない。だがここではこの語を用いることにする。)

今から100年前ごろまで、つまり第一次世界大戦の頃までは、「旧石器時代には日本には人類はいなかった」というのが定説だった。それはなぜかというと、更新世にあたる日本の地層から何も発見されていないからだった。それより新しい地層からは石器や土器が見つかってはいるものの、旧石器時代に人が住んでいたことを裏付けるものは何も出ていなかった。ただ、ごく少数の考古学者は旧石器時代の日本に人類はいたと主張していた。
ところが第二次大戦が終わった直後の1946年、相沢忠洋という人物が、群馬にある岩宿遺跡更新世の地層から打製石器を発見したのである。それは通説に背く発見であったが、のちにまさしく旧石器時代のものであることが確認された。こうして、日本にも旧石器時代があったことが確かめられたのであった。