曲面上でのベクトルの移動
曲面上でのベクトルの移動について、自分の言葉でまとめてみる。
つの変数によって決まる曲面上でのベクトルの、曲面に沿った移動を考える。
(例えば、極座標を用いるとき、を一定とすれば、曲面は半径の球の表面として与えられ、このときである。)
以下では、点Pにおける接ベクトルを、点Qまで移動させることを考える。
単に始点を移すだけの移動では、一般には曲面に沿った移動にはならない。なぜなら、曲面に沿って点Pから点Qまで移動させた場合には、QにおいてもはSに接しているが、一方でただ始点を移しただけの場合には、必ずしも接するとは限らないからである(北極で地球に接しているベクトルを、始点だけ赤道に移しても、接するとは限らない)。
そこで、上の点と、同じく上で、から無限小距離だけ離れた点という2点間での移動を考える。
まずは単純な、始点だけ移すという移動を試してみる。
すると点における接ベクトルをとして、これを点に移したとき、それはでの接平面成分と、法線成分にわかれるはずである。
そこで
とする。は点Qでの接ベクトル、は点Qでの法線ベクトルである。また、ベクトルを、曲面に沿ってQまで移動させたベクトルを、こので定義する。
さてこのとき、とは無限小しか離れていないので、と近似できる(三平方の定理よりだが、右辺の第2項は2次の微小量なので無視できるからである)。
ところで、での基底ベクトルを
と表すと、
となる。
と表せば(接ベクトルと法線ベクトルに分けただけ)、
となる。
ここで、以下のように記せることを確認しておく。
そして上で求めたを用いると、
よって、
だから、
とは線型独立だから、結局、
という式が得られる。
ここから共変微分へ入っていくのですが、それはまた今度にします(自分もまだ、勉強中ですので)。