kimamanikakuの日記

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測地線の方程式

以下、記法はアインシュタインの規約に基づくものとする。

 

2つの変数(q^1,q^2)によって定まる曲面をSとする。このS上を運動する物体があるとする。

物体の位置ベクトルを\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(q^1,q^2)

と表せば、

\displaystyle\frac{d^2\boldsymbol{r}}{dt^2}=\frac{d}{dt}\biggl(\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q^i}\dot{q}^i\biggr)

 

=\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q}^i\ddot{q}^i+\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q^i∂q^j}\dot{q}^i\dot{q}^j (1)

 

と表せる。

 

 

 

ここで(1)式を見る。\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q^i}は、各点におけるSの接ベクトルである。

 

一方、\displaystyle\frac{∂^2\boldsymbol{r}}{∂q^i∂q^j}の方は、接平面の成分と、法線方向の成分に分かれるだろう。そこで、

 

\displaystyle\frac{∂^2\boldsymbol{r}}{∂q^i∂q^j}=Γ^k_{ij}\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q^k}+h_{ij}\boldsymbol{n}

 

と表記することにする。

 

\boldsymbol{n}は、各点における法線ベクトルである。

 

これを用いて、(1)は、

 

 

=\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q}^i\ddot{q}^i+\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q^i∂q^j}\dot{q}^i\dot{q}^j 

=\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q}^i\ddot{q}^i+Γ^k_{ij}\dot{q}^i\dot{q}^j\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q^k}+h_{ij}\dot{q}^i\dot{q}^j\boldsymbol{n} (2)

 

と表される。

 

ここで、この曲面上で、慣性の法則がどういう形で表されるかと考える。

各点において、物体にはSの接平面と垂直な力しか働かないという状況のもとでは、

 

\displaystyle\frac{d^2\boldsymbol{r}}{dt^2}=k\boldsymbol{n}

 

と表せる(この\boldsymbol{n}は、各点におけるSの法線ベクトルを表す)。

 

これと(2)より、

 

=\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q}^i\ddot{q}^i+Γ^k_{ij}\dot{q}^i\dot{q}^j\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q^k}=0

 

h_{ij}\dot{q}^i\dot{q}^j=k

 

とできる。

 

また、上の一式目については、[tex\displaystyle\frac{∂\boldsymbol{r}}{∂q}^i]はi=1i=2で互いに独立であるから、結局、

\ddot{q}^k+Γ^k_{ij}\dot{q}^i\dot{q}^j=0

 

となる。これを測地線の方程式という。